海外FX取引のトレンド相場とは?メリット・デメリットをチェック

海外FX取引のトレンド相場とは?メリット・デメリットをチェック

海外FX取引をする際に、よく理解しておきたいのがトレンド相場に関することです。ですが、そもそもトレンド相場とはどういったものかよくわからないといった方もいるのではないでしょうか。
そこで、トレンド相場とは何か、他によく聞くレンジ相場とは何が違うのかなどについて解説します。この記事を読むことによってトレンド相場の基本とメリット、デメリット、どのようなテクニカル指標があるのかなどについてわかるので、ぜひ参考にしてみてください。

海外FXにおけるトレンド相場って何?

海外FXにおけるトレンド相場とは、相場が上がり続けている、または下がり続けているといった形で一方向の方向性が出ている状態のことをいいます。大きく分けると、相場が上がり続ける「上昇トレンド」と、下がり続ける「下降トレンド」の2種類です。

注意点として、たとえ上昇トレンドだったとしても、一度も下がることなく上昇を続けていく状態ではありません。高値と安値を切り上げながら上昇することになりますが、結果として総合的に見ると上昇しています。
上昇トレンドの場合、現在為替レートが上昇する力が強い状況といえるため、買いエントリーのチャンスです。

一方、上昇トレンドと同様に高値と安値を繰り返しながら、最終的に下降しているのが下降トレンドです。為替レートが下落していく力が強いので、売りエントリーのチャンスといえます。

レンジ相場との違い

為替の動きについてもう一つおさえておきたいのが「レンジ相場」です。レンジ相場とは、上方向にチャートが進んでいく上昇トレンドや、下方向に進んでいく下降トレンドとは異なり、チャートが横方向に進んでいく動きのことをいいます。

総合的な為替の動きにみてみると、大部分はこちらのレンジ相場です。そのため、上昇トレンドと下降トレンドとあわせて、レンジ相場についても理解を深めておきましょう。
大部分をレンジ相場が占めていることもあり、FXの攻略をするにあたり、レンジ相場の見方などについて理解しておくことは欠かせません。

トレンド相場のメリット

トレンド相場を知ることによって、どのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なメリットから解説します。

初心者でも利益を狙いやすい

トレンド相場を確認することにより、海外FX初心者でも利益を狙いやすいメリットがあります。

例えば、相場を確認したところ、レンジ相場ではなく、上昇トレンドであることがわかったとしましょう。その流れがまだ続くと予想できるのであれば、同じ方向にエントリーすることにより、利益が得られる可能性が高くなります。
小さな相場の動きを読むのは初心者にとって難しいことです。ですが、トレンド相場の場合は上と下のどちらに相場が進んでいるのか見極めるだけで良いので、複雑な知識も求められません。
FX取引初心者の方だけではなく、取引手法の王道ともいえる方法です。

損切りのラインが明確

FX取引で損失を抑えるためには、損切りのタイミングが重要です。相場トレンドを確認することにより、損切りのラインが明確になるのもメリットです。

そのためには、テクニカル分析により、トレンド分析を確認しておくことが欠かせません。例えば、現在どのトレンドが発生しているのかをトレンドラインと呼ばれるものなどを使用して把握します。続いて、為替レートがトレンドラインを突破する前に損切りをする方法です。
トレンドラインが大幅に為替レートを突破してしまった場合、トレンドが大きく変わり、損失が膨らんでしまう恐れがあります。ですが、トレンド相場を参考にしながら適切なタイミングで損切りができれば、できるだけ損失が膨らむのを抑えることが可能です。

一般的にFX初心者のうちは値幅や損失額で損切りのタイミングを決めることが多いです。ですが、慣れてきたらトレンドラインでの損切りについても検討してみると良いでしょう。トレンド分析について、詳しくは後述します。

大幅な利益を上げることも可能

一般的に、ほとんどのケースでトレンド相場が急激に反対方向に転じることはありません。トレンド相場が大きく変わるのは、世の中の経済状況や景気が変わったなど、トレンドの転換につながるような明確な材料が出てからの話です。
つまり、それまでは現在のトレンドの波が続いていく形となるので、早い段階で波に乗れれば大きな利益を得ることも可能です。トレンド相場をうまく活用し、自己資金を抑えながら大きな利益を狙うことも不可能ではありません。

エントリーのタイミングが遅れても利益を上げやすい

FXで利益を出していくためには、エントリーのタイミングを見極めることが大切です。ですが、そのトレンドを用いることにより、仮にエントリーのタイミングが遅れてしまったような場合でも利益を上げやすくなります。

これは、トレンド相場で利益を出すためには、基本的にトレンドの波に乗るだけで良いことが理由です。ピンポイントでエントリーすべきタイミングを見極める必要がないため、なかなかタイミングが合わないと悩んでいる方にとっても向いているでしょう。

トレンド相場のデメリット

紹介したように、トレンド相場にはさまざまなメリットがあります。ただ、その一方でデメリットとして挙げられるのが、失敗した場合に損失が大きくなってしまう恐れがあることです。
例えば、自分の中では上昇トレンドであると判断してエントリーしたものの、実は下降トレンドであったような場合、しばらくそのトレンドが続くことが予想されます。すると、自分が予想していたのとは反対の方向に相場が流れ続ける形となるため、大きな損失につながってしまうことがあるのです。

一度トレンドを判断したからといってそのまま放置してしまうのではなく、方向性をよく見極め、確認を継続していきましょう。

トレンド相場とレンジ相場を見分ける方法

そもそも、現在がトレンド相場なのか、レンジ相場なのか見極めるにはどうすれば良いのでしょうか。トレンド相場である場合、早期に見極め、波に乗ることで利益を伸ばしていくことが可能です。見分け方のポイントとして、まず、どの程度の時間軸か選定することから始めます。

一つの目安として、スキャルピングであれば、1~5分足程度が良いでしょう。デイトレードの場合は15~30分足、スイングトレードであれば1時間足以上が目安です。

続いて、直近の高値と安値同士を1本の線で結んでみます。線の角度を確認するために使用するものです。

最後に高値と安値同士を結んだ1本の線の角度を確認します。この時、線の角度が上向きになっている場合は上昇トレンドです。反対に、下向きになっていれば下降トレンドです。
上向きとも下向きとも言えず、横向きの状況になっているのであれば、レンジ相場と判断しましょう。

トレンド相場で使用するテクニカル指標

トレンド相場では、テクニカル指標と呼ばれるものを用いて見極めていくことも可能です。ここで使われるテクニカル指標の代表的なものといえば、移動平均線、ボリンジャーバンド、ダウ理論、MACD、トレンドラインの5つです。
それぞれどのようなものかについて解説します。

移動平均線

移動平均線とは、金融記者であるジョゼフ・E・グランビル氏によって考案されたインジケーターです。FX分析ではさまざまなインジケーターがありますが、移動平均線はその中でも特に代表的なものです。

まず、一定期間の価格から平均値を計算します。続いて、それらを結んで折れ線グラフで表すことにより、どのようにトレンドが変化しているのか見極めることが可能です。

移動平均線を確認することにより、現在のトレンドの方向性だけではなく、トレンドの強さも判断可能です。移動平均線の傾きが急である場合はトレンドが強く、傾きが緩やかであればトレンドも弱いと判断できます。

また、移動平均線には、大きく分けて3つの種類があります。1つ目が、単純に一定期間の終値を平均化して作る「作単純移動平均線」です。2つ目が、単純移動平均線よりも直近価格を重視するタイプで「加重移動平均線」と呼ばれます。3つ目がさらに直近の価格に重点を置く「指数平滑移動平均線」です。
最も値動きに敏感に反応するのが指数平滑移動平均です。求める値動きの敏感さに合わせて使い分けができます。

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドとは、アメリカの投資家であるジョン・ボリンジャー氏によって考案されたテクニカル指標です。上級者にも使用されていますが、初心者にとってもわかりやすいテクニカル指標といえます。

ボリンジャーバンドは、前述した移動平均線と標準偏差によって構成されているのが特徴です。移動平均を表す線のほか、その上下にどの程度の値動きをしているのかを表す線を加えて作ります。
ボリンジャーバンドは、移動平均線と標準偏差で作った帯(バンド)の中に価格の大半が収まるといった統計学をもとに作られたテクニカル指標です。そのため、バンドがどのように変化していくのかを見ることによって現在のトレンドを読み解けます。

ダウ理論

ダウ理論とは、アメリカのジャーナリストであるチャールズ・ダウ氏によって考案されたテクニカル指標です。ダウ氏は投資の世界において非常に多大な功績を残した人物としても知られています。ニュースでよく聞く平均株価についてもダウ氏が考案したものです。

ダウ理論は、6つの基本法則によって構成されています。ダウ理論を用いれば、相場の流れだけではなく、トレンドの転換点がどこなのか判断可能です。

もちろん、必ずしもチャート分析で予測したとおりに価格が動くとは言い切れません。「だまし」と呼ばれるものです。
FXの相場分析をするために非常に重要な知識とはなりますが、ダウ理論のみ把握していれば良いといったものではないので、注意が必要です。

MACD

MACD(マックディー)とは「Moving Average Convergence Divergence」を略したものであり、日本語に訳すと「移動平均収束拡散」です。
移動平均線を応用したテクニカル指標であり、水平に引かれている線と、上下に動く2本の線でトレンドを把握していきます。水平に引かれた線よりも2本の線が上にある場合は上昇トレンド、下にあれば下降トレンドとなります。

トレンドライン

トレンドラインは、安値同士を結ぶ「サポートライン」と呼ばれる下値支持線と、高値同士を結ぶ「レジスタンスライン」と呼ばれる上値抵抗線を用いたテクニカル指標です。それぞれ、トレンドに従い、斜めに引いて分析を行ってきます。

上昇トレンドの際、サポートラインを確認すると、ほとんどのケースでサポートラインまで下落した後に反発が起こっています。反対に、下降トレンドの際もレジスタンスラインまで上昇してもレジスタンスライン付近で反発するのが特徴です。
こういった特徴的な動きを参考にしてその先の値動きを予想します。

トレンド相場をうまく活用しよう

いかがだったでしょうか。トレンド相場について解説しました。どのようなものか、どういったメリット・デメリットがあるのかなどについてご理解いただけたのではないでしょうか。
トレンド相場はFX取引の方向性を決めたり、各種決断をしたりする際にも欠かせない情報になります。

他にも、FXで利益を上げていくためにはさまざまなポイントや、テクニックなどが存在します。当サイトでは初心者や中級者向けにおさえておきたい情報を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

   
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