FXは「Foreign Exchange(外国為替証拠金取引)」の略称として定着した言葉で、外国為替の取引、いわゆる2国間の通貨の交換を指す言葉として用いられてきました。
一方、FXには高いレバレッジをきかせた取引という意味も含まれることがあります。「FXで失敗した」「FXで全損した」などといわれる場合は、レバレッジをかけた外国為替取引を意味しています。
この記事では、海外FXに関する特徴や危険性、国内FXとの比較を中心に紹介します。
海外FXとは、海外を拠点とするFX業者のことであり、海外のFX業者を利用する意味もあります。具体的には、海外のFXサービスに口座を開設し、そこで取引を行うことを指します。
海外FXには、日本国内のFX業者にみられないさまざまな特徴があります。
大きく分けると5つの特徴がありますが、なかでも魅力的なものがハイレバレッジ取引です。日本国内のFX業者は1倍から25倍までと法律で規定されているため、25倍を超えた取引はできません。
一方、海外の業者にはレバレッジの倍数に取り決めがない国で運営されているところも多く、100倍や500倍、1000倍〜5000倍程度の取引が可能となっているサービスもあります。
証拠金がマイナスに振れる前にロスカットを行う「ゼロカットシステム」が採用されているのも海外FXならではの魅力です。せっかくの利益がゼロになってしまうリスクはありますが、マイナスにならないぶん大きな損失の心配がありません。
口座開設までに時間がかからず、入金ボーナスや口座開設キャンペーンの開催や日本国内にない銘柄を取り扱っていることも日本の業者にはないメリットといえるでしょう。
海外のFXは、日本国内よりも多くの国々からトレーダーが参入しています。高いレバレッジが気軽にかけられることもあり、相場が激変したときにロスカットを受けてしまい、せっかく積み上げた利益がゼロになってしまうリスクがあります。
日本の金融庁が管轄しているのは、あくまでも国内で取引を行っている業者に限られます。海外での取引は良くも悪くも個人の責任のもとに行うものであり、万が一詐欺まがいのサービスに登録をしてしまっても、一切保証が受けられません。
また、海外のFX業者が日本国内の居住者向けにサービスを提供することは現時点では違法であり、日本人向けにCMや広告を打つことも禁じられています。
日本人が海外FXを利用すること自体は禁じられていませんが、今後どのように方向性が変わっていくかはわからないため、金融庁関連のニュースや発表はこまめにチェックを行いましょう。
海外FXは世界中の人が安心して利用できるように提供されているサービスが多い一方、危険なイメージもあります。なぜ危険とされているのでしょうか。
海外FXに多いトラブルのひとつに、「出金拒否」の問題があります。詐欺の場合は業者側が一方的に出金を止めている状態ですが、ユーザー側に原因がある場合もあります。
たとえば、取引所ごとの取引ルールに違反している(両建て禁止ルールなど)場合や、登録の口座情報が間違っておりトランザクション処理がうまくいっていない、出金時の金額が入金額を上回っている(ルール規定がある場合)というケースでは、出金拒否となります。
入金ボーナスなど取引所から無償で与えられたボーナスは取引に使うためのもので、付与されてからすぐに自分の銀行口座などに出金することはできません。一方、出金可能なボーナスの場合は即時出金が可能なので、ボーナスの種類やルールを確認してみてください。
FX業者の中には、為替レートなどを操作するケースがあるとされています。すべての業者が操作を行っているわけではありませんが、裏で価格やチャートを操作すること自体は不可能ではないため、少しでもおかしいと思った場合は取引を中止しましょう。
2012年には日本国内でも「スリッページ」という現象を作り出して表向きの価格とは異なる水準で売買を成立させていたとして、とある業者が行政処分を受けています。悪徳業者のサービスを利用しないように、口コミやニュースには目を光らせておく必要があるでしょう。
金融庁は、FX業者も含めて多くの不正に目を光らせています。まず日本国内で金融商品取引業を行う場合は、届出を行って許可されなくてはなりません。海外の業者のほとんどは日本国内での取引が許可されていないため、無登録で金融商品取引業を行っているところには警告を出しています。
警告を受けた業者は、金融庁の公式サイト上に名称が記載されています。無登録業者のなかには実際にトラブルを起こしている事例も多いため、将来的に取引が規制される可能性があることに注意しましょう。
国内FXと比較すると、海外FXにはどのようなリスクがあるのでしょうか。7つのポイントをみていきましょう。
国内FXは最大で25倍のレバレッジですが、海外FXは1000倍以上のハイレバレッジも可能です。レバレッジの倍率が低ければ、その範囲内で取引を行うことになりますが、ハイレバレッジの場合は冒険心が働くこともあるでしょう。
高すぎるレバレッジはハイリスク・ハイリターンであり、積み上げた利益を無にする危険もあります。よほど慣れている場合でも利益がなくなってしまうケースが多いため、大きな損失を出さないためには低レバレッジ環境にしっかりと慣れておく必要があります。
FXにおいて重要な「スプレッド」とは、1つの通貨あたりの売値(Bid)・買値(Ask)の差額のことです。価格はFX業者ごとに異なりますが、0.1銭以上の価格差がついているケースが一般的であり、差額が大きい(スプレッドの開きが広い)ほど取引コストがかさんでいき、狭いほど利益を出しやすくなります。
海外の業者はスプレッドが広いケースが多いため、長期的に業者を利用し続けるほどスプレッドの差がコストとしてかさんでしまいます。手数料0円としていてもスプレッドが広い場合はコストが大きくかかってくるため注意が必要です。
金融庁は登録を受けている会社と、登録を受けずにビジネスを行っている会社を区別しています。登録を受けていなければ警告を出したうえで会社名や代表者の名前が掲載されるため、正しく許可を受けている会社を選びたいところです。
海外のFX業者は許可を受けていないケースが多く、詐欺的な手法で営業を行っている法人もみられます。そのようなサービスを誤って利用しないように、信頼のある業者への登録を行いましょう。
信託保全とは、業者がユーザーから預かった証拠金と会社の資産を分けて管理するために、信託銀行と契約を結んで証拠金を信託口座で管理する方法です。この仕組みによって、会社が破綻した際にもユーザーの資産は守られ、「信託財産」として返還されます。
海外のFX業者によっては信託保全を行っておらず、破綻時にお金が返ってこない可能性があるため、リスクの一つとして押さえておきましょう。
日本国内のFX業者を利用して外国為替取引を行った場合、所得税と住民税をあわせた約20%(20.315%)が「先物取引に係る雑所得」として課税されます。利益の合計額に関わらず一律の課税率となりますが、海外の場合は仕組みが異なります。
海外FXの利用で得た利益は、総合課税として「雑所得」扱いとなります。1,000円から1,949,000円までは5%、1,950,000円から3,299,000円までは10%と所得税の課税率がアップしていく累進課税であり、4,000万円以上の利益には45%がかかります。
さらに、所得税に住民税(10%)と復興特別所得税(2.1%)も加わるため、累進課税率+12.1%が海外FXの利益には加算されます。
海外FXでは、海外で提供されているサービスを使用します。出金も海外から日本の口座に対して行うため、日本国内のようにすべて国内で完結させることはできません。
海外からの出金には、通常の金融サービスの出金時と同じように手数料がかかります。国内のFX業者よりも手数料が高く、出金が完了するまでに確認やその他の理由で時間がかかる場合も。
出金自体にトラブルがあるとストップしたり、英語を使ってカスタマーサポートに連絡をしなければならなかったりと、出金時のトラブルも多いことに注意しましょう。
金融サービスに関わる法律が整備されていない海外を拠点に活動する詐欺グループには、FXサービスと見せかけてグレーな取引をさせているところや、ある日突然連絡が取れなくなるところなどトラブルが多くみられます。
一見誠実で信頼できそうな業者でも、トラブルが多く丁寧に対応が行われていない場合には、詐欺の可能性を疑う必要があるでしょう。
ハイリスクでも海外FXが利用されている理由は、大きく分けて3つです。それぞれ詳しくみていきましょう。
海外FX業者のなかには、「追証なしのゼロカットシステム」を採用しているところがあります。追証とは証拠金維持率が一定レベル以下になった場合のロスカット中に、急激な相場変動があり証拠金維持率を下回ってしまった場合には、証拠金を上回って発生した損失分を新たに入金しなければなりません。
しかし、追証なしのFX業者の場合、証拠金が0円になった時点ですべてをロスカットすればマイナス分は支払い不問となるため、追証の心配がなく証拠金の損失のみにとどめられるのです。
日本国内では金融商品取引法に規定があり、ロスカットが追いつかず口座残高が追証によってマイナスになった場合、業者が補填してはならないと定められています。そのため、ゼロカットシステムや追証なしのサービスは国内のFX業者には存在していません。
高いレバレッジをきかせた取引では、急激な相場変動によって追証が発生しやすくなっています。こまめに証拠金維持率をチェックしていたとしても、突然の変動が避けられない場合があります。ゼロカットシステムはそのようなトラブルにも対応しやすいため、国内FXよりもリスクの少ない取引ができます。
従来の海外FX業者では、英語やその他の言語での取引が一般的でした。公式サイト(取引所)でも英語の表記が当たり前でしたが、現在では日本語表記が可能なところが増えてきています。
なかには日本人スタッフが在籍している、または日本語でのチャットサービスが可能なサービスもあるため、不明点の質問やトラブルの連絡がしやすくなっています。
無償で付与されるボーナスに、レバレッジを活用した取引がすべて無料でできることも海外FXのメリットです。日本円にして1万円以上のボーナスが与えられる場合もあり、元手が多いぶんまとまった額の取引に挑戦できます。
ここからは、利用しやすくリスクが低い海外FX業者を紹介します。実績やサービス、サポート面が充実している会社を取り上げていますので、ぜひ参考にしてください。
FXGは2019年12月に設立された新しい海外FX業者で、「XM」と「Axiory」の創立メンバーや業界大手の役員クラス出身者が運営しています。
セーシェル諸島の金融ライセンスを取得し、「為替と仮想通貨のハイブリッド取引所」を提供しています。
24時間365日の暗号資産取引が可能で、暗号資産ペアの選択肢も豊富です。最大レバレッジは1000倍であり、入出金手数料は無料で即時処理されます。資産保護のために分別管理や倍書責任保険にも力を入れており、経営陣の信頼性から設立当初からユーザーの信用を得ています。
XM(XM Trading)は、2009年に設立された実績豊富な海外FXサービスです。日本人投資家や日本人トレーダーも数多く利用しており、世界各国の金融ライセンスを取得している実力派です。日本語でのサイト表記・日本語ライブチャットが可能で、アプリの提供も行われています。
取引所ではレバレッジ最大1000倍、入出金手数料が無料、入金および取引ボーナスがそれぞれ展開中。取引可能な商品はFX・仮想通貨・コモディティ・株価指数・貴金属・エネルギーの6つです。特定の季節やイベントでのボーナス、招待制のボーナスなども充実しており、即座に資金を口座に反映できる点も魅力です。
取引ツールはMetaTraderv4およびv5、取引環境はPC・Mac・Web・Android・Androidタブレットに対応したバージョンが提供され、複数のデバイス環境でトレーディングが行えます。
IS6FX(アイエスシックス・FX)は、元GMOグループ所属(GMOグローバルサイン グローバル・バイスプレジデント)のCEOが率いるサービスで、初心者にもわかりやすいFXとして提供されています。入金不要で利用できる口座開設ボーナスなど、随時魅力的なキャンペーンを展開しています。
取引所ではレバレッジ最大6000倍、ゼロカットシステムの採用(追証なし)、MetaTraderv4およびMetaTraderv5の利用が可能。取引可能な商品はForex(FX)・貴金属・株価指数・エネルギー・仮想通貨(180銘柄以上)の5つとなっています。
また、約定がしやすいNDD(No Dealing Desk)方式を採用。トレーダーが出した注文を直接市場に流して取引を行う方法のため、透明性の高い為替レートでの取引が可能です。
今回は海外FX業者のメリットとデメリットについて紹介しました。海外FXと聞いて不安に感じる方は、まずはそれぞれの会社の評判や使い勝手をチェックすることをおすすめします。
手持ちの資金がスプレッドや手数料で減ってしまったり、肝心の出金が行えなかったりすると残念ですよね。信頼のできるサービスを比較して、初心者でも参入しやすいところをチョイスしたいところです。
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