海外FXにおける通貨ペアの概要と初心者・上級者におすすめのペア

海外FXを始めたい方に向けて、通貨ペアについての基礎知識を解説していきます。
取引について調べていると、さまざまな通貨が登場します。通貨を「ペア」にして取引を行うのがFXです。しかしどの通貨ペアを選ぶべきなのか、特に海外FX初心者の方であれば迷ってしまうこともあるでしょう。
そこで通貨ペアについての基礎知識と、おすすめの組み合わせをご紹介します。読んでいただければ選び方のポイントも見えてくるはずです。

海外FXの通貨ペアとは？

海外FXの通貨ペアとは、売買する2カ国の通貨の組み合わせのことを指します。
FXでは2種類の異なる通貨を組み合わせて、売ったり買ったりすることで利益を狙う仕組みです。そのため売買を行う際には、2種類の通貨の組み合わせを同時に売ったり、買ったりすることになります。
通貨には種類があるため、さらに詳しい情報を解説していきます。

メジャー通貨とマイナー通貨

海外FXの通貨ペアはメジャーとマイナーの2つにわけられます。
その名の通り、メジャーは頻繁に取引される通貨で、国際的な市場で取引される通貨のこと。対してマイナーは取引量が少なく、限定的な地域でのみ取引されているのが違いです。
一般的な分類は次のようになります。

【通貨ごとの分類】
・メジャー通貨：米ドル・ユーロ・英国ポンド・日本円・スイスフラン［1］
・マイナー通貨：ニュージーランドドル・オーストラリアドル・トルコリラ・南アフリカランド・メキシコペソ・ロシアルーブル他［1］

メジャー通貨は以上の5つの通貨で固定されており、その他はすべてマイナー通貨です。
通貨の流動性は取引に影響をあたえることもあるので、以上の分類についても知っておいてください。

メジャー通貨ペアとマイナー通貨ペアの違い

メジャー通貨とマイナー通貨は、組み合わせられたときに2つの点で違いが現れます。いずれも組み合わせを選ぶ際に知っておきたいポイントなので、ぜひ覚えておきましょう。

違い1：スワップポイント

まずはスワップポイントについての違いです。マイナーはメジャーに比べてスワップポイントが高めになっています。
スワップポイントとは決済されるまで毎日発生する金利のようなものです。実際には金利差調整分であり、通貨の組み合わせの金利差により生じます。

マイナーは価格が大きく変動しやすく、リスクが大きいのが特徴です。その分、スワップポイントが高めの設定となっています。
組み合わせによっては米ドル/日本円で生じるスワップポイントの4～5倍になることも珍しくありません。

価格の変動が激しいため、保持し続けてスワップポイントで利益を得ることが難しいのも事実です。
しかしマイナー通貨を選ぶにあたって、金利差調整分が得られることはメリットと言えるでしょう。

違い2：スプレッド

もうひとつの違いはスプレッドです。メジャーは流動性の高さから、スプレッドが狭くなる傾向があります。
国際的な取引量が多いことからマッチングされやすいことが理由です。

対してマイナーではスプレッドが広く、米ドル/日本円の200倍ほどの広さとなることもあります。
スプレッドの広さはコストに直結するため、取引コストを抑えた取引を求めるならメジャー通貨を選択するべきでしょう。

マイナー通貨ペアで取引をする際に押さえておくべきポイント

海外FXにおいてマイナー通貨ペアにはリスクもありますが、反面、メリットと言えることもあります。これからマイナーでの取引を進めていきたいと考えているなら、あらかじめ、次の2つのポイントを押さえておくことが大切です。

ポイント1：スプレッドが広い

押さえておきたいポイントのひとつめは、スプレッドの広さです。先に解説したように、マイナー通貨ペアではスプレッドが広く、海外FXにおけるコストが高くなります。
スプレッドが広い組み合わせであれば、新規注文をしただけで20,000円ほどのコストが発生することもあるでしょう。

スプレッドの広さは組み合わせ次第です。マイナーであっても、比較的スプレッドが狭めの組み合わせもあるため、状況などを考えて最適な判断が求められます。
ただしスプレッドが広いことに変わりはないため、コスト面を考えた上で注文するようにしましょう。

ポイント2：ボラティリティが高い

ボラティリティが高いことも押さえておきたいことのひとつです。ボラティリティとは値動きの大きさのことを指します。
値動きが大きいことはメリットでありデメリットでもあります。良い方向に動けば爆発的な利益が生まれることもあるでしょう。しかし次の瞬間に強制ロスカットが起こるリスクもはらんでいます。
つまり、リスクもリターンも大きくなりがちなのがマイナー通貨です。ボラティリティの高さを把握しておかないと、大きな損失を被る可能性もあります。

初心者におすすめの通貨ペア

それではおすすめの通貨の組み合わせはどのようなものでしょうか？まずは海外FXを始めたばかり、もしくはこれから始める初心者の方におすすめの通貨ペアをご紹介します。

1.USD/JPY（ドル/円）

まずはUSD/JPY（ドル/円）です。USD/JPYの組み合わせは日本で最も一般的であり基本です［2］。米ドルは世界中でも多く取引されているため流動性が高く、値動きが安定していることが特徴となります。

アジア時間・欧州時間・米国時間のいずれでも売買が行われており、市場は活発です。値動きは日本とアメリカの金融・経済の動向に影響されるため、日本で情報を仕入れやすいこともメリットとなります。
以上のように非常に取引しやすい条件がそろっているため、初心者の方にはぜひ試していただきたい組み合わせです。

2.EUR/USD（ユーロ/ドル）

初心者の方におすすめとなる次の組み合わせは、EUR/USD（ユーロ/ドル）です。世界中で取引されており、日本では上位3位の取引量がある組み合わせです［2］。特に取引が盛んなのは欧州時間です。

トレンドが発生すると継続しやすい傾向があります。値動きはアメリカとユーロ圏の両方の金融・経済政策により変動するため、動向を追うのが大変かもしれません。
ただし流通量が多いことから、初心者の方におすすめできる組み合わせです。

3.AUD/JPY（豪ドル/円）

続いてはAUD/JPY（豪ドル/円）です。オーストラリアドルは初心者の方向けにおすすめする中では、唯一のマイナー通貨となります。
しかし日本における海外FXでは人気の高い通貨ペアで、取引高では5位にランクインしました［2］。

ユーロやドル、円と違い気をつけたいポイントは、原油や貴金属の市場に影響を受け易いことです。オーストラリアは資源国通貨であり、資源の輸出で新興国からの影響を受けやすいことに注意しましょう。
中国への輸出が多いこと、ニュージーランドとの関係が深いことから、両国の動向を探っておくことも大切です。

メジャー通貨に比べると少し癖がありますが、オーストラリアは安定した国であり、マイナー通貨の中では値動きが大きくありません。マイナーでの取引を始めてみたいと考える初心者の方におすすめです。

上級者におすすめのマイナー通貨ペア

続いては海外FX上級者の方におすすめのマイナー通貨ペアをご紹介していきます。

1.EUR/TRY（ユーロ/トルコリラ）

EUR/TRY（ユーロ/トルコリラ）はスワップポイントの高さが魅力の組み合わせです。
トルコリラは金利が高い通貨として有名であり、ユーロは低金利な通貨です。そのためEUR/TRYはほとんどの業者で最も高いスワップポイントとなっています。

ただし値動きが大きいことに変わりはないため、取引への注意は常に払うべきでしょう。またスプレッドはかなり広めです。
トルコはイラン・イラク・シリアなど内戦や紛争、テロが起こりやすい国と隣接しています。そのため周辺国の動向による影響を受けやすい通貨です。
いずれにしてもリスクが大きい通貨であり、海外FX取引に慣れている方におすすめの通貨ペアです。

2.GBP/AUD（英ポンド/豪ドル）

GBP/AUD（英ポンド/豪ドル）は、値動きが激しい組み合わせです。短期間で大きな利益を得たい方におすすめします。
落ち着いていると感じても急に変動が起こることがあり、規則性がありません。

ただしトレンドが継続しやすい傾向があり、一定方向に動き出せば大きな動きが期待できます。値動きの大きさから、超短期取引にも適する組み合わせです。
値動きの激しさを求めている上級者の方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

通貨ペア数が多い海外FXでのおすすめ業者3選

最後にご紹介するのは、通貨ペア数が多い海外FX業者おすすめ3選です。通貨ペアが多いほど幅広い選択ができるため、組み合わせの豊富さで選ぶのも良いでしょう。

LAND-FX

海外FX業者の中でも、特に通貨ペア数が多いのがLAND-FXです。最大67種類で、英国ポンドの組み合わせが充実していることが特徴となります。英国ポンドに関してはLAND-FXでしか取引できない組み合わせも。GBP/AUDで取引してみたい上級者の方はぜひ利用してみてください。

AXIORY

AXIORYでは最大61の組み合わせを取り扱っています。口座は3種類ありますが、いずれも61種類すべてに対応しています。オーストラリアドルとニュージーランドドルが充実しています。組み合わせ数の多さに加えて、スプレッドが狭く、約定力が大きいことも魅力です。

TitanFX

TitanFXも最大60種類と、取扱数の多い業者のひとつです。クロス円の組み合わせを得意としていますが、上級者の方におすすめとしてご紹介したEUR/TRYも選べます。口座タイプごとの通貨ペア数の違いはありません。ハイレバレッジで最大500倍での取引が行なえます。

海外FXにおいて「通貨ペア」は取引の基本

いかがでしたでしょうか？この記事を読んでいただくことで、海外FXにおける通貨ペアについてご理解いただけたと思います。
通貨の組み合わせは取引の基本です。メジャーとマイナーの2種類があり、種類によってスワップポイントやスプレッドが違うため選び方の基準となるでしょう。
ご紹介したおすすめの組み合わせを参考にして、ご自身にあった取引を始めてください。

当サイトでは、各社のボーナスキャンペーンの情報や、お役立ち情報についてまとめています。海外FXについて理解を深めてから挑戦したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

［1］

参照：千葉優子著. 図解30分で「為替のしくみ」がすっきりわかる本. 秀和システム 2009; 20

［2］

参照：金融庁：店頭ＦＸ業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会（第２回）議事録